理想の貸借対照表を作ろう(1)

皆さん、「貸借対照表」ってわかりますか。
「たいしゃくたいしょうひょう」と読みます。
ちんしゃく…ではありません。

自分がもし会社を経営していたとしたら、理想の
貸借対照表を作るのがいいと思いますし、家計に
おいても、理想の貸借対照表を作りましょう。

貸借対照表というのは、左側に持っている資産を
並べ、右側には負債を並べ、その差額を「純資産」
として計算したものです。

左側の資産とは、現金や貸しているお金、土地建
物、株などの金融資産、その他目に見えるもので
価値のあるもの、目に見えなくても価値があるも
のを言います。

右側の負債とは、借りているものです。例えば住
宅ローンとか、親や金融機関から借りているお金
など、今後払わなければならない金額です。

資産と負債の差額が純資産です。

資産が1,000万円あって、負債が500万円だと、純
資産は500万円ということになります。

資産1,000万円あっても、負債が1,500万円であれ
ば純資産はマイナス500万円となり、「債務超過」
(支払うべきものの方が多い)ということになり
ます。

純資産は多ければ多いほど良いのですが、あまり
に資産が多すぎてもよくない場合もありますし、
家計における純資産については、マイナスになっ
ている(債務超過)場合は、まずはプラスを目指
そう、ということになります。

そして、資産は、収益を生み出してくれるものが
よいでしょう。

配当を生み出してくれる株式とか、金利収入が入
るものでもいいですし、その資産から収益を得ら
れるものを増やしていきましょう。

土地や建物も、人に貸せば収益が入りますし、自
分が住むにしても、「家賃を払わなくていい」と
いう収益を生み出してくれると考えることができ
ます。

そして、負債はなるべく減らしていく方がいいか
もしれません。お金を借りて何かを買うと、資産
と負債の両方が増えます。そうすると貸借対照表
自体が膨らみますが、純資産があまり増えないこ
とになります。

貸借対照表はシンプルな方が良いかと思います。

例えば、生活のために必要な現金があり、土地と
建物(家)があり、配当を生み出してくれる株式
などがあり、それらの資産が生み出す収益が、生
活費として必要なお金を超えていれば、それでい
いでしょう。

生活費が年間300万円かかるとしたら、資産から
生み出される収益が300万円あればいい。それが
理想の貸借対照表かもしれません。

資産が例えば年5%の収益を生み出してくれると
したら、300万円を5%で割り返して、6,000万円
の「収益を生み出す資産」を持っていればいい
ということになります。

「そんなに持ってないし、持つのも大変」という
ことでしたら、「労働資産」とか「年金資産」を
貸借対照表の資産に入れればいいです。

長くなってしまうので、次号に続きます。

とにかく、お金のことでいろいろと悩むことは多
いと思いますが、

家計において、

「シンプルで、必要な生活費を生み出してくれる
資産があり、負債が少ない(ない)」

といった、理想の貸借対照表を作ることを目指し
ていこう。お金についてはそれで充分。そのため
にこれから何年かかけて何をしていくかを考えよ
う。

ということです。

次号でもう少し詳しくお話ししたいと思います。