人生とお金(11)“マイナスサム”のギャンブルを排除する

資産を積み上げ、不労所得を得て、将来がある程度安心な状態になるためには、ギャンブルを遠ざけた方がいいという話をします。私もギャンブルが好きで、そのせいで自分が理想とするほどの資産を築けておらず、まだまだ道半ばであります。ギャンブルが好きで、日常にギャンブルが入り込んでしまっている人の多くは、将来苦労することになるでしょう。今すぐギャンブルをなるべくやめていくことが大切と言えます。

ギャンブルの定義ですが、「マイナスサムになるもの」ということが出来ます。マイナスサムとは、それに取り組んだすべての人の収支をトータルするとマイナスになる、というゲームのことです。例えば競馬などの公営ギャンブルは、20%から30%程度の「テラ銭」(主催者の運営費用や利益)が引かれますので、マイナスサムゲームです。100円の馬券を買ったら、期待値(平均の払戻額)が75円になってしまうということです。ただ、個人的に競馬はとても面白いのでやめられません。多くの人も、勝ったときの気持ちよさに魅入られてやめることが出来ないです。タバコや麻薬(やったことはありませんが)のように、ギャンブルには依存性があります。

宝くじは、「貧者の税金」と言われたりするのですが、テラ銭が半分近く持っていかれます。ごくまれに大きな金額が当たり、人生が変わる(いい方向にも悪い方向にも)人がいますが、多くの人は一生当らず、負けて終わりです。

株式のトレードなどは、テラ銭が比較的小さいので「ゼロサムゲーム」(すべての人の収支トータルがゼロになる)と言われることもありますが、厳密に言うと手数料が取られるため、取引をやればやるほどマイナスサムゲームに近づいていきます。株をやるなら売買手数料は気をつけなければならない要素です。

お金を投資するものについては、ギャンブルの要素が強いものが多く含まれているので、気をつけなければなりません。一般的に「投資」と言われるものでも、ギャンブル的な要素が含まれているのです。例えば生命保険なども、「不幸なことが起こった(的中した)ときに払い戻されるギャンブル」と言い換えることもできますので、損をする人が多いのです。保険でテラ銭的要素があるのは、保険会社の利益です。保険会社は、的中率などがほぼ正確に予想できますので、調整することにより大きな利益を生むことが出来ます。保険会社の従業員の年収が高く、立派なビルが建っているのはそのおかげです。

もちろん、保険は必要なこともあります。当たる確率は低いけど、当たったら大きな損失を被ってしまう場合に、保険はとても有用です。ただ、必要のない保険に入るのはギャンブルをしているようなもので、無駄な場合も多いです。

投資には、いろいろな誘惑がついてきます。勉強しなければ騙されてしまう人も多いでしょう。「ギャンブル」をなるべく排除して(やりたい人は少額で)、賢く投資をしていきましょう。