人生とお金(17)年金+キャッシュフローで生きていこう

年金は崩壊しない、だから年金保険料を払い続け、もらえる権利はしっかりもらっていこうという話ですが、自分の年金はどうなるのか気になる人も多いかと思います。それは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認しましょう。ねんきん定期便は、毎年誕生月に送られてくるもので、これまでの年金加入実績や、今の状態で将来年金がいくらもらえるか試算されたものが載っています。その年金額が保証されているわけではありませんが、国が責任をもってその数字を国民に知らせているのですから、もらえると考えてもいいのではないでしょうか。

また、「ねんきんネット」にログインし、今後の仕事や給与がどのようになるか、あくまでも予定ではありますがそのような情報を入れると、もっと正確にどれくらいの年金がもらえそうかということがわかります。これも勿論、確実な数字ではありませんが、ある程度の目安になるでしょう。

それから、ぜひやっていただきたいのが、前にも述べていますが、「引退後の生活費の計算」です。仕事を引退した後、どれくらいのお金が必要かを計算します。家がどうなっているのか(持ち家か賃貸かなど)、将来毎月どれくらいの生活費が必要なのか、どれくらいの小遣いを使っていきたいのか、趣味にはどれくらい使いたいのか、などの情報や希望を元に、将来毎月いくら必要かなどを計算してみましょう。結婚している人は、夫婦2人でどれくらいの金額になるかを計算します。結婚していなければ1人でいくらになるかを考えます。インフレになればその金額が高くなるかも知れませんが、そんなことは誰にもわからないので、とりあえず今の金額水準で考えてみましょう。 

例えば必要生活費が年間300万円、もらえる年金が200万円になったとします。ごく単純な計算ですが、その場合の不足額は100万円です。その100万円をどうにかしなければなりません。生活を切り詰め、節約して必要生活費を200万円に下げるのも一考です。それが出来ない場合は、100万円を何とかしましょう。

65歳で仕事をやめても、100歳まで生きる可能性があると考えれば、かなりのお金が必要となります。65歳までに貯めたお金を100万円ずつ取り崩していくと考えれば、100歳までに3,500万円も必要となります。それはなかなか厳しい、そんな場合は、不足する100万円を、何とか「キャッシュフロー」で賄えないかを考えましょう。例えば株を買って4%の配当を毎年もらえる状態なのであれば、2,500万円分の元本を持っていれば毎年100万円を得ることが出来るので、それで済むかもしれません。インデックス投資(インデックスファンドを買っていく)をしていて2,500万円の元本を持ち、年に4%ずつ取り崩していくとしても100万円を得ることが出来ます。これがキャッシュフローであり、不足する生活費(や遊興費)を補うことができるものです。「2,000万円問題」で、同じ2,000万円を貯めるのであれば、取り崩して残高が減っていくものだけではなく、高配当株などのように毎年お金を生んでくれるものを貯めていきましょう。それが引退後の人生を助けてくれます。