人生とお金(3)常識を疑い、平成までと考え方を改める  

 

私ももう50歳を過ぎてしまって、考え方を変えるというのがある程度難しくなってきています。凝り固まった思考というのは、なかなか柔軟に変えることが出来ないものです。しかし、もう時代は令和に入りました。平成も終わってしまったのです。常識を疑って、考え方を改める必要があります。

日本の経済をものすごく大まかに分けると、昭和までが成長の時代、平成が平坦な時代、そして令和は下がっていく(逆成長)の時代になるでしょう。山頂(平成)が平坦な山のような形を思い浮かべていただけばいいかもしれません。その中でも平成の初期が一番高いところで、そこから平成中はなだらかに下がっていき、その後令和に入って右肩下がりになるというイメージです。

この「右肩下がり」の状態は、ほとんどの人が経験していない状態だと思います。なので、日本経済がどうなるかが読めず、私などはある意味恐怖を感じてしまいます。そうなった時の対処をするにしても、どうすればよいかが現時点ではあまりよくわかりません。もちろん、国や私たちがその対処法を考え、対応していかなければいけないことは確実でしょう。

どちらにしても、「経済成長は、あまり望めない」ということを前提に、これからの人生設計や経営を考えていく必要があると言えるかもしれません。

平成の時代は、バブル崩壊やリーマンショックなどがあり、経済の状態が悪くなったり株価が大きく下がったりした時期もありましたが、まだ日本経済には力があり、均してみると割と平坦な経済状態だったと言えるかもしれません。それは、「多消費世代」と言われる40代の人口がまだ大きく減っていないということもあるでしょう。今の40代後半は、「団塊ジュニア」世代ですが、その団塊ジュニア世代が「多消費世代」を超えてしまうと、経済の規模が小さくなると言われています。バブル崩壊も、団塊の世代が多消費世代を超えたことから発生したと言えるかもしれません。それと同じことが起こる可能性や、なだらかに需要が下がり、経済規模が小さくなっていくことが考えられます。

ただ、アメリカについてはまだこれから人口が増える傾向にあり、右肩下がりにはならない可能性が高いと考えられます。アメリカもQE(金融緩和)によって経済が膨らんでいるため、バブル崩壊のようなことがあるかもしれませんが、まだ成長を望むことが出来ます。世界全体を経済の場と考えると、そこまで右肩下がりを危惧する必要はないかもしれないのですが、日本経済においては厳しい状況になっていくことが考えられますので、それに対処していく必要があります。

平成時代に昭和を引きずることが良くない状態を招いたように、令和時代は昭和や平成を引きずることがないよう、考えを改めていく必要がありそうです。