人生とお金(5)引退後の年金などの収入について考える

「一生、仕事をして稼ぐ」と決めたのならいいのですが、その覚悟がまだできない人については、引退後の年金や収入についてじっくりと時間を作り考えていかなければなりません。まずは、引退後の年金などの収入について、考えてみましょう。

引退後に年金がいくらくらいもらえるか、これはその人が成人してからこれまでにどれくらい年金保険料を払ってきたかなどによります。毎年、誕生月に「ねんきん定期便」というハガキが送られてきているかと思いますが、それを参考にするのがいいのではないかと思います。現状ではどれくらいの年金が年間にもらえるか、ということが書いています。それにプラスして、これからの給与の額などによってもらえる額が決まってきます。

「ねんきん定期便」から計算した結果として、65歳から毎年180万円もらえるとします。そうなれば、月15万円の収入になるということで、引退後の収入の基礎になるでしょう。

よく、「年金は破綻する」「年金はあまりもらえなくなる」などと言われます。確かに、若年層が減って老年層が増えるわけですから、これまでと全く同じように、多くの人が生活費を完全に賄えるくらいの年金がもらえることはなくなるでしょう。ただ、年金というのは、日本という国の根幹をなすものということが出来ます。言い換えれば、年金や健康保険のような、相互扶助や所得の再分配という仕組みについては、国として一番大切な役割なわけですから、簡単に破綻することはなく、仮に破綻するとするならば、もう国としての機能も失われてしまう、ということになるでしょう。

つまり、国が続く限り、年金という再分配の仕組みは残り、最低限の暮らしが保証されなければならない、ということになります。完全に安心するわけにはいきませんが、ある程度最低限、生きていくためのお金は、仕事が出来なくなってからもいただけるということは言えます。だからと言って安穏とするわけにはいかないですが…

なので、自分の匙加減でいいので、例えば「ねんきん定期便」の金額の7割はもらえそう、など決めてしまい、年金を計算してください。その結果、自分が生きていくために必要なお金が賄えるならそれはそれでいい(定年で仕事をやめてしまってもいい)ですし、足りないのであれば、ある程度の年齢までは仕事をする、または死ぬまで仕事をして稼いで生きていく、ということを考えなければいけません。年金で十分な生活費が賄えるとわかったとしても、もちろんずっと仕事をしていくということもアリです。

老後という言葉をあまり使いたくはありませんが、意外と早く訪れるものだと考えた方がいいのかもしれません。今から将来のことを決めたりするのはなかなか難しいことではありますが、年金がいくらもらえるのか、その他の収入をどう確保していくのか、そして生活費はどれくらいかかりそうか(必要なのか)といったことをいまから考える必要があるでしょう。