人生とお金(10)不労所得を永続的に得る方法

「不労所得」は、永続的に生み出されるからこそいいのです。なぜかと言うと、一時的にしか得られない所得であれば、仕事をやめた後のお金の保全になるかどうかの確実性がありません。年金も不労所得の一部ですが、年金のように毎年、決まった額が入るからこそ、仕事をやめた後に安心して生きていけるのです。そのための不労所得について、もう少し考えてみましょう。

今書いたのですが、「年金」も不労所得です。20歳になってからコツコツと数十年、会社から年金を引かれて納めてきました。その結晶が年金となり、65歳以降は働かなくてもお金を亡くなるまで得ることが出来るのです。

不労所得には年金以外にもいろいろとあり、年金だけで足りない場合が多いからこそ、不労所得を得られるように積み上げていく必要があります。まず、代表的な不労所得である「配当」を永続的に受け続けていくためには、配当を生み出す株式を取得する必要があります。株式を取得するためには、例外もありますがもちろん現金を差し出して、株式を買う必要があります。株式100万円から生み出される配当金は、銘柄によって本当に様々で、配当を出さない会社はゼロ円ですし、5%以上の配当利回りを受けられる銘柄もあります。自分が作った会社であったり、上場前に何らかの理由で多くの株式数を保有している場合を除いては、身銭を切って株式を取得し、その配当を得ることが必要です。ただ、年間例えば120万円(月間10万円)の配当を得ようと思うと、配当の率(配当利回り)が4%だとすると、3,000万円の元本(株式)が必要となります。それを積み上げるのは結構大変ですが、若いうちから毎月・毎年、高利回りの配当を生み出す株式を買い続けることで、それを実現化することが可能になるのです。

また、株式以外にも不動産所得などで永続的に不労所得を得ることが可能です。例えば5,000万円の不動産を購入し、毎年300万円の不動産所得(利益)を得ることが出来るならば、その利回りは6%となります。不動産所得は、物件の持ち主がメンテナンスをしなければならずその費用が掛かりますし、空室が出ると想定した利回りを得られない場合がありますが、不労所得と言えるでしょう。これも不動産を買って物件を増やしていけば不労所得が増えますが、すぐにできるわけではありません。

要するに、なるべく早いうちからコツコツと資産を積み上げていくことが、不労所得を得るために必要なこと、ということが出来るでしょう。それさえ出来、途中でやめることがなければ、必ず不労所得を得ることが可能です。そして、不労所得は、資産が多ければ多いほど増えていきます。とにかく、今からでも資産(将来の利益を生み出してくれるものが資産です)を買って、積み重ねていくことが大切です。

人生とお金(9) 「不労所得」を得る必要がある(不労所得入門)

引退までにある程度のお金を貯め、引退後は年金と蓄えの取り崩しによって生きていく、その概算を設計しよう、というお話をしましたが、ここで少し話を変えてみます。単純に貯金をして、それを取り崩していくという概念を取り払うことが出来るものがあります。それが「投資」や「不労所得」ということになります。

前項で、「老後2,400万円のお金が必要」ということを書いたのですが、「投資」や「不労所得」について学び、実行できれば、2,400万円も貯金をする必要がなくなります。

まずは、不労所得について考えてみましょう。不労所得とは、ある程度の財産があり、その財産が「毎年(毎月)お金を生み出すもの」であれば、毎年の収入を確保できる、というものです。仕事をやめた後に必要なお金が毎年300万円とします。この時、年金が年200万円しかもらえないのであれば、毎年100万円不足しますよね。この100万円の不足はそのままでは何ともならないので、毎年の生活費などを削って200万円で生きていく必要があります。

ところが、毎年100万円、仕事をしなくても入ってくるお金があるのであれば、その不足額を補うことが出来ます。この100万円が「不労所得」ということです。基本的過ぎて拍子抜けでしょうか。

不労所得には、本当にさまざまなものがあります。例えば毎年配当金を生み出してくれる株式や、不動産を買って賃貸に出し、その賃貸料も不労所得ということになります。ある事業を興してその会社株式を持ったとして、その仕事をやめた後にもその会社が儲かって配当を出してくれれば、それも不労所得ということになります。もちろん、不労所得を生み出すまでには労力が必要ですし、特に不動産所得などはメンテナンスなどが必要で労力を要する場合もありますが、基本的にはあくせく働かなくても入ってくるお金ですので、不労所得と言えるでしょう。

不労所得を得るためには、その所得を生み出してくれる「資産」を買い、積み重ねていく必要があります。所得を生み出してくれるのが「資産」ですので、まずは効率よく不労所得を生み出してくれる資産を買っていくことを考えなければなりません。もちろん、「預金」や「貯金」も不労所得ではありますが、その利率はとても低く、充分な不労所得を生み出してはくれません。だから「投資」を正しく学ぶ必要があるのです。

私個人としては、「高配当株」をコツコツ毎月購入して、将来の不労所得を得ようとしています。高い配当を出してくれる株式を購入し、決算状況などを見ながらメンテナンスしていきます。上手くいけば、毎年資産残高の3~4%位は入ってくる計算となります。年100万円の配当を生み出してくれる元となる資産は、年利3%の場合で3,300万円程度必要となります。それに達するまでコツコツ投資をしていくのは大変ですが、将来ずっと(メンテが必要ですが)不労所得を生み出してくれる、優秀な資産ということが出来そうです。

人生とお金(8)引退までのお金を設計する

「自分は死ぬまで働かない」と決めた場合、引退までと引退後のお金の設計をする必要があります。引退後に困ったり路頭に迷ったりしないように、引退までにいくらのお金を作るか、引退後にどのようにお金が入ってくる仕組みを作るか、ということが大切になります。

わかりやすく例を出してみましょう。今の年齢が50歳、死ぬ年齢(自分で勝手に決めたもの)が90歳、そして仕事は70歳くらいで辞めるかな。と決めたとします。

ご多分に漏れず私もですが、多くの人はそれほどこれまでにお金を貯めたりしてはいないのではないかと思います。子どもの教育費が相当かさんだり、住宅ローンがまだまだたくさん残っていて返済が大変だったり、いろいろな事情で十分なお金を貯めているという人は割と少ないと想像します。そこで、現在の手持ちを大胆に0円としてしまいます。50歳の貯金額の平均値や中央値はある程度あるはずですが、マイナスの人(借金状態)もいると仮定し、ゼロと保守的に見積もってみます。

そして、引退後に十分な年金が確保されていそうだ、と言う人もそれほど多くはないと想像します。もちろん、20歳そこそこからずっとしっかり、汗水たらして会社に貢献して働いてきたという人は、ある程度の年金額になっているでしょうからあまり心配はありませんが、いろいろな事情で年金がしっかり確保できていない、と言う人も多いでしょう。私も自営業者で国民年金だけを払っていた時期もありますので、充分生きていける年金が確保できているというわけではありません。

ただ、年金制度では、「老齢基礎年金」(国民年金の1階部分)がフルでもらえる加入期間40年に達していない場合は、60歳を超えても継続して加入して年金保険料を払う、という方法や、65歳からもらえる年金を70歳までもらわず、繰り下げて受給するといったやり方もあります。これ以降、年金額を増やすこともできるのです。諦めずに、死ぬまでもらえる年金を増やしていきましょう。

話を戻し、70歳からもらえる年金が例えば夫婦で月20万円(もう少しもらえる人も多いでしょうが)として、充分な暮らしをするために月30万円必要だと考えたとすると、月10万円足りません。70歳から90歳まで月10万円、総額は2,400万円足りない、ということになります。つまり、70歳までに2,400万円ないと困る、というわけです。まさに「2,000万円問題」に近い数字です。  この2,400万円を、何としても70歳までに仕事をしながら貯めていかなければいけません。子ども2人が55歳くらいで巣立つ(割と標準的なモデル化と思います)と考えると、55歳から本格的に蓄財して70歳までに2,400万円貯める、つまり年間160万円程度溜めていく必要がある、ということになるでしょう。実際には、後述する投資・運用によってそんなに貯めなくてもいい形にはなりますが、そのような計算をしておくかしないかで、その後のお金についての取り組み方が変わってきて、その後の幸福度も変わってくるでしょう。まずは、概算でいいので、そのような計算をしてみることが大切です。